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データ消失を防ぐ必須対策 Windows デバイス暗号化の回復キー確認・バックアップ手順

Tags: Windows, セキュリティ, デバイス暗号化, 回復キー, バックアップ, データ保護

なぜデバイス暗号化の回復キー確認・バックアップが必要なのでしょうか

Windowsには、PCのストレージ(ハードディスクやSSD)全体を暗号化する「デバイスの暗号化」機能があります。これは、PCを紛失したり盗まれたりした場合に、第三者がストレージからデータを不正に読み出すことを防ぐ非常に重要なセキュリティ対策です。

しかし、この暗号化されたデータにアクセスするには、「回復キー」という専用のパスワードが必要になることがあります。PCのハードウェア構成が大きく変わったり、Windowsのシステムに問題が発生して再インストールが必要になったりした場合に、この回復キーがないと、たとえ正規のユーザーであっても大切なデータにアクセスできなくなってしまうリスクがあります。

回復キーは通常、Windowsセットアップ時に使用したMicrosoftアカウントに自動的に保存されますが、その存在や確認方法を知らないまま放置していると、万が一の際にデータを取り戻せなくなる可能性があります。

この記事では、Windows標準機能を使って、デバイス暗号化が有効になっている場合に必須となる「回復キーの確認と安全なバックアップ方法」を分かりやすく解説します。この手順を行うことで、安心してPCを利用し続けることができるようになります。

デバイス暗号化の回復キーを確認・バックアップする手順

デバイス暗号化の回復キーは、主にMicrosoftアカウントのWebサイトから確認できます。

以下のステップで進めます。

  1. Microsoftアカウントの回復キー確認ページにアクセスします。 ブラウザーを開き、以下のURLにアクセスしてください。 https://onedrive.live.com/recoverykey

  2. Microsoftアカウントにサインインします。 使用中のPCでWindowsにサインインしているMicrosoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力し、サインインします。二段階認証を設定している場合は、認証コードの入力なども求められますので、指示に従ってください。

  3. 「BitLocker 回復キー」のリストを確認します。 サインインに成功すると、「BitLocker 回復キー」というページが表示されます。 ここに、お使いのPCの回復キーが表示されているはずです。表示されているPC名と「回復キー」を確認してください。複数のPCや古い回復キーが表示されている場合もありますので、現在使用しているPCの名前や、回復キーが作成された日付を確認して、該当するものを特定してください。

    通常、デバイス暗号化で使われる回復キーは、「回復キー」というラベルと共に32桁の数字(例: 11112222333344445555666677778888 のように、8桁ごとに区切られています)で表示されます。

  4. 回復キーを安全な場所にバックアップします。 表示された回復キーを、以下のいずれかの方法で安全に保管してください。複数の方法でバックアップしておくことを推奨します。

    • テキストファイルとして保存する: 回復キーと対応するPC名をメモ帳などのテキストエディターにコピー&ペーストし、USBメモリーなどの外部ストレージや、信頼できるクラウドストレージ(Microsoftアカウントとは別の、セキュリティが確保されたサービスなど)に保存します。PC本体のストレージに保存しても意味がありませんので注意してください。

    • 印刷する: 「印刷」のオプションがあれば、クリックして回復キーが記載されたページを印刷します。印刷した用紙は、PCとは別の、鍵のかかる場所や金庫などに保管してください。

    • メモを取る: 紙に正確に書き写し、PCとは別の安全な場所に保管します。32桁の数字を正確に書き写すよう細心の注意が必要です。

    注意点: * 回復キーは機密情報です。他人に見られたり、安易な場所に保存したりしないでください。 * PC本体や、暗号化されているドライブ上には保存しないでください。 * PCを買い替えたり、ストレージを交換したりした場合は、再度回復キーを確認し、必要に応じて新しいキーをバックアップし直してください。

回復キーの意味と重要性

回復キーは、デバイス暗号化によってロックされたストレージを開けるための「合鍵」のようなものです。Windowsが正常に起動し、Microsoftアカウントでサインインできる状態であれば、回復キーは通常意識する必要はありません。

しかし、Windowsが起動できなくなったり、マザーボードの交換などハードウェア構成に大きな変更があったりした場合、Windowsはセキュリティ上の理由から、ストレージへのアクセスに追加の確認を求めます。この際に必要となるのが回復キーです。

特に、Windowsをクリーンインストールする場合や、PCが故障して別のPCでストレージの内容を読もうとする場合などには、この回復キーがなければデータは永久に失われてしまいます。

Microsoftアカウントのオンラインストレージ(OneDrive)に自動的にバックアップされる仕組みは便利ですが、Microsoftアカウント自体にサインインできなくなるリスクもゼロではありません(パスワード忘れ、アカウントロックなど)。そのため、Microsoftアカウントとは独立した手段(印刷、別の安全なクラウドストレージなど)で回復キーをバックアップしておくことが、万が一の事態に備える上で非常に重要になります。

まとめ

この記事で解説した手順を実行することで、お使いのWindows PCでデバイス暗号化が有効になっている場合の回復キーを安全に確認し、バックアップすることができたかと思います。

回復キーのバックアップは、PCの盗難・紛失対策としてのデバイス暗号化の効果を最大限に引き出すとともに、予期せぬシステムトラブルやハードウェア故障の際に、大切なデータを失うリスクを大幅に減らすための必須対策です。

今回確認・バックアップした回復キーは、PC本体とは別の、安全でアクセスしやすい場所に大切に保管してください。そして、今後PCの構成を変更したり、新しいPCに買い替えたりした際には、再度回復キーを確認し、最新の情報をバックアップする習慣をつけることを推奨します。

この設定を完了したことで、PCのデータ保護に関する基本的なセキュリティ対策が一つ強化されました。他の必須セキュリティ設定についても、ぜひ当サイトの他の記事も参考に、順次設定を進めてみてください。