アカウント乗っ取り対策に必須 Microsoftアカウント 二段階認証設定手順
なぜMicrosoftアカウントの二段階認証が必要なのか
近年、オンラインサービスへの不正アクセスやアカウントの乗っ取り被害が増加しています。多くのウェブサイトやサービスでは、ユーザー名とパスワードによる認証が一般的ですが、パスワードが漏洩したり、推測されやすいパスワードを使用していたりすると、簡単に第三者にログインされてしまうリスクがあります。
特にWindowsを利用されている方の多くは、Microsoftアカウントでサインインされていることと思います。Microsoftアカウントは、Windowsの利用だけでなく、Outlook.com、OneDrive、Office、Skypeなど、様々なサービスと連携しています。そのため、Microsoftアカウントが乗っ取られると、これらのサービスに保存された個人情報が漏洩したり、不正に利用されたりする深刻な事態につながりかねません。
このようなリスクからアカウントを守るために非常に有効な手段が「二段階認証」です。二段階認証を設定すると、パスワードの入力に加えて、本人だけが持っている別の手段(例:スマートフォンに届くコード、認証アプリ)による確認が求められるようになります。これにより、たとえパスワードが第三者に知られてしまっても、アカウントへの不正ログインを防ぐことができるのです。これは、ビジネスで利用する情報資産を守る上で、もはや必須の対策と言えるでしょう。
この解説では、Microsoftアカウントの二段階認証を有効にするための手順を分かりやすく説明します。Windowsの標準的な利用形態であるMicrosoftアカウントユーザーを想定しています。
Microsoftアカウントの二段階認証設定手順
Microsoftアカウントの二段階認証は、Microsoftアカウントのセキュリティ設定ページから行います。以下の手順に従って設定を進めてください。
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Microsoftアカウントのセキュリティ基本設定ページにアクセスする
- お使いのウェブブラウザを開きます。
- アドレスバーに
https://account.microsoft.com/security
と入力し、Enterキーを押すか、Microsoftアカウントの公式サイトから「セキュリティ」の項目を探してアクセスしてください。 - 必要に応じて、Microsoftアカウントでサインインします。
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「セキュリティの基本」ページで「高度なセキュリティオプション」を選択する
- サインイン後、「セキュリティの基本」ページが表示されます。
- このページにある「高度なセキュリティオプション」というリンクまたはボタンをクリックします。
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「高度なセキュリティオプション」ページで「二段階認証」を探す
- 「高度なセキュリティオプション」ページが表示されます。
- ページを下方向にスクロールし、「追加のセキュリティ」というセクションを探します。
- その中に「二段階認証」という項目があります。現在の状態(オンまたはオフ)が表示されています。
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二段階認証を「有効にする」を選択する
- 二段階認証が「オフ」になっている場合は、「二段階認証を有効にする」というリンクをクリックします。
- 確認のダイアログボックスが表示されることがあります。内容を確認し、「次へ」や「はい」などのボタンをクリックして進んでください。
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認証方法を選択し設定する
- 二段階認証を有効にするための設定画面が表示されます。
- Microsoftは複数の認証方法を提供しています。主に以下の方法があります。
- 認証アプリを使用する: スマートフォンにMicrosoft Authenticatorなどの認証アプリをインストールし、表示されるワンタイムパスワード(数秒ごとに変わる数字のコード)を使用する方法です。最も安全性が高いと推奨されています。
- メールアドレスにコードを送信: 代替のメールアドレスにセキュリティコードを送信し、そのコードを入力する方法です。
- 電話番号(SMS)にコードを送信: 登録した電話番号のSMSにセキュリティコードを送信し、そのコードを入力する方法です。
- 推奨される認証方法を選択し、画面の指示に従って設定を行います。認証アプリの場合は、スマートフォンでの操作(QRコードの読み取りなど)が必要になります。メールアドレスや電話番号の場合は、指定した連絡先に送られてくるコードを入力して認証します。
- 複数の認証方法を設定しておくことも可能です。
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回復コードを保存する
- 二段階認証の設定完了後、Microsoftから「回復コード」が表示される場合があります。
- この回復コードは、スマートフォンを紛失したり、認証アプリが使えなくなったりした場合など、通常の認証方法が利用できない場合にアカウントにアクセスするための非常に重要なコードです。
- 表示された回復コードを、印刷するなどして安全な場所に保管してください。オンラインストレージなど、アカウントにアクセスできないと見られない場所ではなく、オフラインで安全に保管することをおすすめします。このコードを他人に知られないように十分注意してください。
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設定が完了したことを確認する
- 設定が完了すると、「高度なセキュリティオプション」ページの「二段階認証」の項目が「オン」と表示されるようになります。
- これで、Microsoftアカウントへのサインイン時に二段階認証が求められるようになります。
設定の意味と補足
Microsoftアカウントで二段階認証を有効にすることで、アカウントへの不正ログインリスクを大幅に低減できます。パスワードが漏洩しても、第三者は二段階目の認証を突破できないため、アカウントにアクセスすることは非常に困難になります。
推奨される認証方法として認証アプリがありますが、これはSMSやメールに比べて傍受されにくいというメリットがあります。認証アプリが利用できない場合や、より手軽な方法を希望する場合は、SMSやメールでの認証も選択できますが、これらの方法にもそれぞれリスク(例:SIMスワップ、メールアカウントの乗っ取り)が存在することを理解しておくことが重要です。
回復コードは、万が一の事態に備える最後の手段です。必ず安全に保管し、紛失しないようにしてください。
まとめ
ここまで、Microsoftアカウントの二段階認証を有効にする手順を解説しました。この設定を行うことで、たとえパスワードが知られてしまっても、アカウントへの不正アクセスを効果的に防ぐことが可能になります。
設定は完了しましたか。これで、あなたのMicrosoftアカウントは基本的な乗っ取り対策が施されました。これは、ビジネスで利用するPCやデータ、個人情報などを守る上で、非常に強力な一歩となります。
Windowsのセキュリティを高めるためには、二段階認証だけでなく、Windows Updateの適用、強力なパスワードの使用、Windows Defenderの活用など、他のセキュリティ設定も重要です。かんたんWindowsセキュリティ設定サイトでは、これらの必須設定についても解説していますので、ぜひ他の記事も参考に、さらなるセキュリティ強化にお役立てください。
安全なデジタル環境を維持するために、セキュリティ設定は一度行ったら終わりではなく、定期的に見直し、最新の状態に保つことが大切です。