かんたんWindowsセキュリティ設定

Windowsアカウントの種類(管理者/標準)を確認し、安全な標準ユーザーにする手順

Tags: Windows, セキュリティ, アカウント, 標準ユーザー, 管理者アカウント

サイバー攻撃の脅威が増す中、ご自身のPCのセキュリティ設定に不安を感じているビジネスパーソンの方も多いのではないでしょうか。Windowsには、標準機能だけで実施できるセキュリティ対策がいくつか存在します。その中でも、アカウントの種類を適切に設定することは、不正なソフトウェアのインストールやシステム設定の改ざんを防ぐ上で非常に重要です。

この記事では、ご自身がお使いのWindowsアカウントが「管理者」か「標準ユーザー」のどちらに設定されているかを確認する方法と、セキュリティ強化のために日常的な利用に適した「標準ユーザー」へ変更する手順を分かりやすく解説します。この設定を行うことで、万が一マルウェアに感染した場合でも、被害を最小限に抑えることにつながります。

Windowsアカウントの種類とは

Windowsには主に二つのアカウント種類があります。

セキュリティの観点からは、日常的なPC操作には標準ユーザーアカウントを使用し、管理者アカウントは必要なときだけ使用することが強く推奨されます。これは、標準ユーザーであればシステムに広範な変更を加えることができないため、マルウェアなどの脅威からPCを保護する効果が高まるためです。

ご自身のWindowsアカウントの種類を確認する手順

まず、現在使用しているアカウントの種類を確認しましょう。

  1. Windowsの「設定」アプリを開きます。タスクバーの検索窓に「設定」と入力するか、スタートメニューから歯車アイコンをクリックします。
  2. 設定メニューの中から「アカウント」をクリックします。
  3. 左側のメニューで「ユーザーの情報」が選択されていることを確認します。
  4. 画面右側に表示されるご自身のアカウント名の下に、アカウントの種類(例: ローカルアカウント, Administrator / 管理者, 標準ユーザー)が表示されます。ここで「管理者」または「標準ユーザー」のどちらであるかを確認してください。

アカウントの種類を標準ユーザーに変更する手順

現在のアカウントが「管理者」であり、これを「標準ユーザー」に変更してセキュリティを強化したい場合は、以下の手順で設定します。

重要: アカウントの種類を変更するには、PC上に別の管理者アカウントが存在する必要があります。もし現在使用しているアカウントが唯一の管理者アカウントである場合、先に別の管理者アカウントを作成してから、この手順を実行してください。管理者アカウントが一つもない状態になると、システム設定の変更などができなくなる可能性があります。

  1. Windowsの「設定」アプリを開きます。
  2. 設定メニューの中から「アカウント」をクリックします。
  3. 左側のメニューで「家族とその他のユーザー」をクリックします。
  4. 「その他のユーザー」または「家族とその他のユーザー」のセクションに表示されている、種類を変更したいアカウント(ご自身のアカウント)を選択します。
  5. アカウント名の下に表示される「アカウントの種類の変更」ボタンをクリックします。
  6. 「アカウントの種類の変更」ダイアログボックスが表示されます。「アカウントの種類」のドロップダウンリストをクリックします。
  7. リストの中から「標準ユーザー」を選択します。
  8. 「OK」ボタンをクリックして変更を適用します。

これで、選択したアカウントが標準ユーザーアカウントに変更されました。次にWindowsにサインインする際から、新しい種類が適用されます。

標準ユーザーで運用することの意味

アカウントを標準ユーザーに変更して日常的に利用することで、セキュリティリスクを大幅に低減できます。

標準ユーザーとしてPCを操作している際、システムに影響を与える可能性のある操作(例: 新しいソフトウェアのインストール、重要なシステム設定の変更など)を実行しようとすると、Windowsは「ユーザーアカウント制御 (UAC)」のダイアログボックスを表示し、管理者アカウントのパスワード入力を求めてきます。

この画面が表示された場合、実行しようとしている操作が正当なものであるかを必ず確認してください。もし身に覚えのない操作でこの画面が表示されたら、それはマルウェアなどが勝手に何かをしようとしている可能性が高いと考えられます。このような場合にパスワードを入力せずにキャンセルすることで、不正な操作を阻止し、PCを保護できます。

管理者アカウントで操作していると、多くの操作でパスワード入力が求められず、そのまま実行されてしまうため、悪意のあるプログラムが容易にシステムに変更を加えてしまうリスクが高まります。

まとめ

Windowsアカウントの種類を適切に管理し、日常使いに標準ユーザーアカウントを利用することは、PCを不正なアクセスやマルウェアから守るための基本的かつ必須のセキュリティ対策の一つです。

この記事で解説した手順で、ご自身のアカウントの種類を確認し、必要に応じて標準ユーザーに変更してください。これにより、PCの安全性が一段と向上します。

アカウントの種類設定は、Windowsの基本的なセキュリティ設定の一部です。他にもWindows Updateの適用、ファイアウォール設定、ウイルス対策ソフト(Microsoft Defenderなど)の有効化など、必須とされるセキュリティ設定がいくつかあります。ご自身のPCのセキュリティ状態を定期的に確認し、安全な状態を保つように心がけましょう。