危険なアプリのインストールを防ぐ Windows アプリインストール制限設定手順
はじめに:なぜアプリのインストール元を制限する必要があるのか
インターネット上には、正規のソフトウェアに見せかけて、実はコンピューターに損害を与える悪意のあるプログラム(マルウェア)や、不要な広告表示、個人情報収集などを行う迷惑なソフトウェア(PUA: Potentially Unwanted Application)が存在します。これらのプログラムは、知らないうちにダウンロードされたり、別のソフトウェアと一緒にインストールされたりすることがあります。
こうした危険なアプリがインストールされるのを防ぐことは、お使いのPCのセキュリティを維持する上で非常に重要です。Windowsには、Microsoft Store以外の場所から入手したアプリのインストールを制限したり、警告を表示したりする標準機能が備わっています。この設定を行うことで、意図しないアプリのインストールを防ぎ、PCをより安全に利用することができます。
この解説では、Windowsの標準機能を使ったアプリインストール制限の設定方法を、初心者の方でも迷わないよう、ステップ形式で分かりやすくご説明します。
アプリのインストール元を制限する手順
この設定は、「設定」アプリから行います。以下の手順で進めてください。
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「設定」を開く 画面左下のスタートボタンをクリックし、歯車アイコンの「設定」をクリックして開きます。Windowsキーを押しながら
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キーを押すことでも開けます。 -
「アプリ」を選択する 「設定」画面が表示されたら、メニューの中から「アプリ」をクリックして選択します。
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「アプリの詳細設定」を開く 画面左側のメニューから「アプリの詳細設定」をクリックします。(Windowsのバージョンによっては「アプリと機能」の中に含まれている場合や、「アプリ」を開いてすぐ右側に表示される場合があります。)
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「アプリを入手する場所の選択」を設定する 「アプリの詳細設定」画面に「アプリを入手する場所の選択」という項目があります。ここが、アプリのインストール元を設定する場所です。通常はプルダウンメニューになっています。
このプルダウンメニューをクリックすると、いくつかの選択肢が表示されます。推奨される設定は、以下のいずれかです。
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「場所を選ばないが、Microsoft Store にもあるアプリがある場合は表示する」 または 「どこでも許可する前に警告する」 この設定にすると、Microsoft Store以外の場所からアプリをインストールしようとした場合に、警告が表示されます。これにより、意図しないインストールを防ぎやすくなります。警告が表示された際に、そのアプリが本当に必要で信頼できるものかを確認する機会が得られます。
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「Microsoft Store のみ (推奨)」 この設定にすると、Microsoft Storeから入手したアプリしかインストールできなくなります。最も安全な設定ですが、業務などでMicrosoft Store以外から入手する必要のあるアプリがある場合は、この設定にするとインストールができなくなります。
【推奨設定】 セキュリティと利便性のバランスを考えると、多くの場合、「場所を選ばないが、Microsoft Store にもあるアプリがある場合は表示する」または「どこでも許可する前に警告する」を選択するのがおすすめです。これにより、必要なアプリはインストールしつつ、危険なアプリの侵入リスクを減らすことができます。
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設定の完了 プルダウンメニューから希望する設定を選択すれば、設定はすぐに反映されます。これで、アプリのインストール元に関する基本的なセキュリティ対策が完了しました。
設定の意味と補足
この「アプリを入手する場所の選択」設定は、Windowsがアプリのインストールを許可する元を制限することで、セキュリティリスクを低減することを目的としています。
- 「どこでも許可」 は、最も制限が緩く、セキュリティリスクが高まります。
- 「Microsoft Store のみ」 は最も安全ですが、Microsoft Storeにないアプリはインストールできません。
- 「どこでも許可する前に警告する」 (または類似の表現) は、危険な可能性のあるアプリをインストールする前にユーザーに注意を促すことで、セキュリティと利便性のバランスを取る設定です。
この設定は、WindowsのSmartScreen機能と組み合わせて利用することで、さらに効果を高めることができます。SmartScreenは、ダウンロードしたファイルやアクセスしようとしているWebサイトが悪意のあるものでないかをチェックする機能です。アプリのインストール元制限は入り口でのチェック、SmartScreenは内容のチェックというイメージです。
まとめ:設定完了と今後の対策
上記の手順で、「アプリを入手する場所の選択」を設定することで、意図しない危険なアプリがPCにインストールされるリスクを効果的に減らすことができます。この設定はWindowsに標準で搭載されている機能であり、特別なソフトウェアを導入する必要はありません。
この設定は、PCの基本的なセキュリティ対策の一つです。これに加えて、Windows UpdateによるOSの更新、Microsoft Defenderによるウイルス対策、不審なファイルやリンクを開かないといった基本的な注意も継続して行うことが、PCを安全に利用するために重要です。
設定が完了したことで、お使いのPCのセキュリティは一歩強化されました。安心してPCをご利用ください。