PCと周辺機器の安全を保つ Windows Bluetoothプライバシー設定 必須の手順
なぜBluetoothのプライバシー設定が必要なのか
近年、ワイヤレス技術の普及により、PCはさまざまな周辺機器とBluetoothで簡単に接続できるようになりました。マウスやキーボード、ヘッドホンだけでなく、スマートフォンやその他のデバイスとも連携が可能です。この便利さの裏には、適切に管理しないとプライバシーに関わる情報が意図せずやり取りされてしまう潜在的なリスクが存在します。
例えば、Bluetooth接続を許可したアプリやサービスが、あなたの許可なく他のBluetoothデバイスと通信したり、あなたのデバイス情報を取得したりする可能性があります。これにより、プライバシー情報が漏洩したり、セキュリティリスクにつながったりすることも考えられます。
Windowsの標準機能には、どのアプリがBluetooth機能にアクセスできるかを制御するプライバシー設定があります。この設定を適切に行うことは、PCと周辺機器の安全な接続を保ち、不要な情報漏洩を防ぐための必須の対策と言えます。多忙なビジネスパーソンでも短時間で完了できる、この必須設定の手順を分かりやすく解説します。
Windows Bluetoothプライバシー設定の手順
不要なアプリからのBluetoothアクセスを制限するための具体的な手順は以下の通りです。
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「設定」を開く
- Windowsのスタートボタンをクリックし、「設定」(歯車アイコン)をクリックします。
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「Bluetoothとデバイス」または「プライバシーとセキュリティ」を選択する
- 表示された設定メニューの中から、「Bluetoothとデバイス」をクリックします。
- (Windowsのバージョンによっては「プライバシーとセキュリティ」の中に「Bluetooth」の項目がある場合もあります。その場合は「プライバシーとセキュリティ」をクリックしてください。)
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「デバイス」または「アプリのアクセス許可」に進む
- 「Bluetoothとデバイス」の画面が表示されたら、関連設定の項目を探します。通常は画面の下の方に表示されています。
- 「関連設定」の下にある「プライバシー設定」をクリックします。
- (または、「プライバシーとセキュリティ」を選択した場合は、左側のメニューから「アプリのアクセス許可」の下にある「Bluetooth」をクリックします。)
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「Bluetooth」のプライバシー設定を確認する
- 「Bluetooth」のプライバシー設定画面が表示されます。
- ここに、「アプリにデバイスとのペアリング、デバイスとの通信、相対的な近接性の判断を許可します」といった説明が表示されます。
- まず、一番上にある「Bluetoothアクセス」のスイッチが「オン」になっていることを確認します。Bluetoothを使用しない場合は「オフ」にすることも可能ですが、通常は周辺機器との接続のために「オン」にしておく必要があります。
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アプリごとのBluetoothアクセス許可を設定する
- 画面を下にスクロールすると、「Bluetoothにアクセスできるアプリを選ぶ」という項目が表示されます。
- ここに、Bluetoothアクセスを許可されているアプリの一覧が表示されます。
- インストール済みのアプリが表示され、それぞれのアプリに対してBluetoothアクセスを個別に「オン」または「オフ」に設定できます。
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不要なアプリのアクセスを「オフ」にする
- リストを確認し、普段Bluetoothを使用しないアプリや、Bluetoothアクセスが必要だと思われないアプリについては、それぞれの右側にあるスイッチを「オフ」に切り替えます。
- 信頼できるアプリや、Bluetoothマウス、キーボード、ヘッドホンなど、実際にBluetooth接続で利用するアプリについては「オン」のままで問題ありません。
- 不明なアプリや、見慣れないアプリが表示されている場合は、念のため「オフ」にしておくことを推奨します。
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設定の完了
- 個別のアプリの設定を変更すると、変更は自動的に保存されます。
- これで、Bluetooth機能へのアプリからのアクセスが制御されました。
設定の意味と補足
この設定は、「どのアプリがあなたのPCのBluetooth機能を使って、近くにある他のBluetoothデバイスと通信したり、デバイスの情報を取得したりすることを許可するか」をコントロールするためのものです。
Bluetoothは便利な機能ですが、適切に管理されないと、近くのデバイスに情報を送信したり、逆に情報を受信してしまったりする可能性があります。特に、位置情報と組み合わせて使われる場合などは、あなたの居場所や行動パターンが推定されるリスクもゼロではありません。
ここで個別のアプリのアクセスを制限することで、悪意のあるアプリや、不要な情報収集を行う可能性のあるアプリが、あなたの知らない間にBluetoothを悪用することを防ぐことができます。通常、OSの機能や信頼できる周辺機器メーカーのアプリ以外は、Bluetoothアクセスを「オフ」に設定しておいてもPCの利用に大きな影響はない場合がほとんどです。
まとめ
ここまで、Windowsの標準機能を使ったBluetoothプライバシー設定の手順を解説しました。この設定を行うことで、不要なアプリからのBluetoothアクセスを制限し、あなたのPCやプライバシーを守るための基本的な対策の一つが完了しました。
PCと周辺機器の安全な接続を保つことは、日々の業務においても非常に重要です。今回設定した項目は、Windowsのセキュリティ設定の中でも比較的簡単に行える必須項目です。
PCのセキュリティを維持するためには、このようなプライバシー設定だけでなく、Windows Updateの実施や、Microsoft Defenderによるウイルス対策、ユーザーアカウント制御(UAC)の確認など、複数の対策を組み合わせることが重要です。ご自身のPCの安全状態を定期的に確認し、必要な設定が行われているかチェックすることをおすすめします。