Windows標準のデータバックアップ 必須設定と手順
なぜデータバックアップが必要なのか
日々の業務で扱うデータは、ビジネスにおいて非常に価値の高い資産です。しかし、コンピュータの故障、誤操作によるファイル削除、あるいは近年増加しているランサムウェアによるデータ暗号化など、様々なリスクによって大切なデータがあっという間に失われてしまう可能性があります。
特にランサムウェア攻撃を受けた場合、身代金を支払ってもデータが元に戻る保証はなく、業務継続が困難になる事態も想定されます。このような事態を防ぐための最も基本的な、そして最も効果的な対策の一つが、データのバックアップです。
定期的にデータのバックアップを取っておくことで、万が一の事態が発生した場合でも、失われたデータを以前の状態に戻すことが可能になります。Windowsには、このようなバックアップを手軽に行える標準機能が搭載されています。別途ソフトウェアを用意する必要はありません。この記事では、Windows標準機能を使った必須のデータバックアップ設定手順を解説します。
Windows標準機能を使ったバックアップ設定手順
Windowsには「バックアップと復元 (Windows 7)」という機能が標準で搭載されており、これを利用してファイルやシステム全体のバックアップを作成できます。ここでは、この機能を使ったバックアップ設定の手順をステップ形式で説明します。
ステップ1:バックアップ設定画面を開く
まず、Windowsの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、検索結果から「コントロールパネル」を開きます。
コントロールパネルが表示されたら、「システムとセキュリティ」の項目にある「バックアップと復元 (Windows 7)」をクリックします。
ステップ2:バックアップ設定を開始する
「バックアップと復元 (Windows 7)」画面が表示されたら、「バックアップを設定します」をクリックします。
ステップ3:バックアップの保存場所を選択する
バックアップデータの保存先を選択します。通常、内蔵ドライブ以外の外部ストレージ(外付けHDD、USBメモリなど)やネットワーク上の場所を選択することが強く推奨されます。これは、PC本体に障害が発生した場合でもバックアップデータが無事であるようにするためです。
使用可能なドライブが表示されるので、バックアップを保存したい場所を選択し、「次へ」をクリックします。ネットワーク上の場所を選択する場合は、「ネットワークに保存」をクリックして場所を指定します。
ステップ4:バックアップの対象を選択する
何をバックアップするかを選択します。
- Windowsに選択させる (推奨): Windowsがシステムファイル、プログラム、すべてのユーザーライブラリなどを自動的に選択します。ほとんどの場合、このオプションで十分です。
- 自分で選択する: 特定のフォルダやドライブだけをバックアップしたい場合に選択します。重要なデータが保存されている場所を自分で指定できます。
特別な理由がなければ、「Windowsに選択させる (推奨)」を選択し、「次へ」をクリックします。システムイメージを含めるかどうかもここで設定できます。システムイメージを含めると、Windowsやインストールされているプログラムも含めて完全に復元できるようになりますが、バックアップ容量は大きくなります。
ステップ5:バックアップのスケジュールを確認・設定する
バックアップをどのくらいの頻度で実行するか、スケジュールを確認または変更します。「スケジュールの変更」をクリックすると、バックアップを実行する曜日、時間、頻度(毎日、毎週、毎月)を設定できます。
データは常に変化するため、週に一度など、定期的にバックアップが実行されるように設定しておくことが重要です。設定したら「OK」をクリックします。
ステップ6:設定を確認しバックアップを開始する
これまでの設定内容が表示されます。内容を確認し、「設定を保存してバックアップを実行」をクリックします。
これで、初回バックアップが開始され、設定したスケジュールに従って今後自動的にバックアップが実行されるようになります。初回は時間がかかる場合がありますので、PCを使用しない時間帯に行うと良いでしょう。
バックアップ設定の意味と重要性
- バックアップ保存場所の重要性: PC本体と同じ場所にバックアップを保存しても、PC本体の故障やランサムウェア感染でデータが失われるリスクは変わりません。必ず別の物理的な場所(外付けHDD、ネットワークストレージなど)に保存してください。
- システムイメージバックアップ: これを含めることで、Windows自体が起動しなくなった場合でも、OS、プログラム、設定を含むPC全体をバックアップ時点の状態に戻すことができます。非常に強力な復旧手段となります。
- 定期的なスケジュール: バックアップは一度行えば終わりではありません。データは日々更新されるため、最新の状態を保つためには定期的なバックアップが不可欠です。自動で実行されるように設定しておけば、バックアップ忘れを防ぐことができます。
まとめ
Windows標準機能である「バックアップと復元 (Windows 7)」を使用することで、大切なデータを様々なリスクから守るための必須のバックアップ設定を行うことができます。
この記事で解説した手順に従って設定を完了することで、ランサムウェア感染やPC故障などが発生した場合でも、バックアップしておいた時点のデータに復元できるようになり、データ消失のリスクを大幅に軽減できます。
一度設定してしまえば、あとは指定したスケジュールで自動的にバックアップが実行されます。しかし、バックアップが正しく行われているか、定期的に確認することも重要です。また、実際にデータを復元する手順についても、別途確認しておくとさらに安心です。基本的なデータ保護のために、ぜひこのバックアップ設定を行ってください。