Windowsファイアウォールを有効にする基本設定 不正アクセス対策の第一歩
なぜWindowsファイアウォールが必要なのか
インターネットに接続されたPCは、常に外部からの様々な攻撃にさらされる可能性があります。特に、不正アクセスは、PC内部の情報を盗まれたり、PCを勝手に操作されたりする危険性があり、ビジネスにおいても深刻な被害をもたらす可能性があります。
Windowsファイアウォールは、このような外部からの不正な通信をブロックする役割を担っています。例えるなら、PCとインターネットの間に立つ「門番」のような存在です。信頼できない通信は通さず、安全な通信だけを許可することで、PCを保護します。
このWindowsファイアウォールは、Windowsに標準で搭載されている非常に重要なセキュリティ機能です。適切に設定されているか確認することは、不正アクセスからPCを守るための必須の第一歩と言えます。
Windowsファイアウォールを有効にする手順
Windowsファイアウォールが正しく機能しているか確認し、必要であれば有効にするための簡単な手順をご説明します。
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設定画面を開く:
- Windowsのスタートボタン(画面左下のWindowsアイコン)をクリックします。
- スタートメニューが表示されたら、歯車のアイコンの「設定」をクリックします。
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「更新とセキュリティ」を開く:
- 設定画面が表示されたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。
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「Windowsセキュリティ」を選択:
- 画面左側のメニューから「Windowsセキュリティ」をクリックします。
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「ファイアウォールとネットワーク保護」を開く:
- 「保護の領域」の中から「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリックします。
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ネットワークの種類を確認し、ファイアウォールの状態を見る:
- この画面には、現在接続しているネットワークの種類が表示されています。(例: ドメインネットワーク、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク)
- 通常、ご自宅や一般的なオフィスでインターネットに接続している場合は、「パブリックネットワーク」または「プライベートネットワーク」のいずれかが「アクティブ」と表示されているはずです。
- アクティブなネットワークの種類の下に、「Microsoft Defender ファイアウォール」の状態が表示されます。「有効」になっていれば、ファイアウォールは機能しています。
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ファイアウォールが無効な場合(通常はありません):
- もし、アクティブなネットワーク種類のファイアウォールが「無効」と表示されている場合は、そのネットワークの種類をクリックします。
- 表示された画面で「Microsoft Defender ファイアウォール」のスイッチを「オン」に切り替えます。
- 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というユーザーアカウント制御(UAC)の画面が表示されたら、「はい」をクリックして変更を許可してください。
通常、Windowsのインストール時や初期設定時にファイアウォールは自動的に有効になっています。この手順は、主にファイアウォールが有効になっていることを確認するために行います。
設定の意味と補足
Windowsファイアウォールには、「ネットワークの種類」に応じて設定を分ける機能があります。
- パブリックネットワーク: インターネットカフェや公共のWi-Fiなど、安全性が保証されない不特定多数が利用するネットワークを想定した設定です。最も厳重なフィルタリングが行われ、外部からのほとんどの不要な通信がブロックされます。
- プライベートネットワーク: 自宅や信頼できるオフィスなど、限定されたメンバーが利用するネットワークを想定した設定です。パブリックネットワークよりはやや緩やかな設定になっていますが、基本的な保護は維持されます。
- ドメインネットワーク: 企業などのドメインに参加しているPC向けのネットワークです。ドメイン管理者によって設定が一元管理されることが多いです。
これらのネットワークの種類に応じて、ファイアウォールの許可・ブロック設定が変わります。特に理由がない限り、現在接続しているネットワークの種類に応じたファイアウォールは「有効」にしておくことが強く推奨されます。Windowsの標準設定では、多くの状況で適切な設定がされていますので、ご自身で細かなルールを変更する必要はほとんどありません。
まとめ
Windowsファイアウォールを有効にすることは、インターネットからの不正アクセスに対する基本的な、そして非常に重要な対策です。今回ご紹介した手順で、ご自身のPCのファイアウォールが有効になっていることを確認できました。
この設定が完了していれば、PCは基本的な「門番」による保護を受けている状態です。これは不正アクセス対策の第一歩に過ぎませんが、放置した場合のリスクを大幅に低減できます。
PCのセキュリティは、ファイアウォールだけではありません。Windows Updateの適用や、信頼できるユーザーアカウントの利用など、他の必須設定と組み合わせて行うことで、より強固な対策が実現できます。まずは、今回確認したファイアウォールが有効になっていることで、基本的な防御ができているとご安心ください。