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情報漏洩対策に必須 Windows 位置情報サービスのプライバシー設定手順

Tags: Windowsセキュリティ, プライバシー設定, 位置情報, 情報漏洩対策, 初心者向け

なぜ位置情報サービスの設定が必要なのか

近年、多くのアプリケーションやサービスが利用者の位置情報を活用しています。Windowsにも標準で位置情報サービスが搭載されており、対応するアプリに現在地情報を提供する機能があります。

しかし、この位置情報が意図しない形で第三者に共有されたり、過去の行動履歴が保存されたままになったりすると、思わぬ情報漏洩につながるリスクがあります。例えば、頻繁に訪れる場所(自宅や職場など)の情報が知られることで、個人のプライバシーが侵害されたり、ビジネス上の情報が推測されたりする可能性も考えられます。

特にビジネスで利用するPCでは、位置情報が漏洩することによるリスクを最小限に抑えることが重要です。ここで解説する設定を行うことで、Windowsによる位置情報の利用を適切に管理し、情報漏洩のリスクを軽減することができます。これは、Windowsの標準機能で簡単にできる、基本的なセキュリティ対策の一つです。

Windows 位置情報サービスのプライバシー設定手順

以下の手順で、Windowsの位置情報サービスに関する設定を行います。

  1. 「設定」アプリを開く 画面左下のスタートボタン(Windowsロゴ)をクリックし、歯車アイコンの「設定」をクリックしてください。

  2. 「プライバシーとセキュリティ」を選択 設定画面が開いたら、左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリックしてください。 (Windowsのバージョンによっては「プライバシー」という項目名の場合があります。その場合は「プライバシー」をクリックしてください。)

  3. 「位置情報」を選択 「プライバシーとセキュリティ」(または「プライバシー」)の設定画面が表示されたら、左側のメニューをスクロールし、「アプリのアクセス許可」の項目にある「位置情報」をクリックしてください。

  4. 位置情報サービス全体のオン/オフを設定する 「位置情報」の設定画面が表示されます。上部にある「位置情報サービス」のトグルスイッチを確認してください。

    • 位置情報サービスを無効にする場合: トグルスイッチが「オフ」になっていることを確認してください。もし「オン」になっている場合は、クリックして「オフ」にしてください。これにより、デバイス全体で位置情報の取得が無効になります。
    • 位置情報サービスを有効にする場合: トグルスイッチが「オン」になっていることを確認してください。多くのアプリケーションで位置情報を使用しない場合は、セキュリティの観点から原則「オフ」を推奨します。特定のアプリケーションで位置情報が必要な場合にのみ「オン」にしてください。
  5. 位置情報へのアクセスを許可するアプリを設定する(位置情報サービスがオンの場合) 位置情報サービスを「オン」にしている場合、画面を下にスクロールすると「位置情報へのアクセスを許可するアプリを選ぶ」という項目があります。ここに表示されているアプリごとに、位置情報へのアクセスを許可するかどうかを個別に設定できます。

    • 不要なアプリや、位置情報へのアクセスを許可したくないアプリについては、そのアプリ名の横にあるトグルスイッチを「オフ」にしてください。
    • 位置情報サービスを「オフ」にしている場合、この一覧は表示されなかったり、表示されていても個別の設定が無効になっていたりします。
  6. 位置情報の履歴を消去する 「位置情報へのアクセスを許可するアプリを選ぶ」のさらに下に、「位置情報の履歴を消去」という項目があります。「消去」ボタンをクリックすると、このデバイスに保存されている過去の位置情報履歴が削除されます。定期的に履歴を消去することを推奨します。

設定の意味と推奨される設定値

位置情報サービス全体のオン/オフ

この設定は、Windowsがデバイスの位置情報を取得し、アプリやサービスに提供するかどうかを大元から制御します。 * オフ (推奨): ほとんどのアプリケーションで位置情報を利用しないビジネスPCでは、原則として位置情報サービス全体をオフにすることを推奨します。これにより、意図しない位置情報の取得や、アプリによる情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。 * オン: マップアプリなどで現在地を表示するなど、特定の目的で位置情報が必要な場合にのみオンに設定します。オンにする場合でも、次に説明するアプリごとの設定で、必要最小限のアプリにのみ位置情報へのアクセスを許可するように調整することが重要です。

アプリごとの位置情報アクセス許可

位置情報サービスがオンの場合にのみ有効な設定です。個々のアプリケーションが位置情報にアクセスすることを許可するかどうかを細かく制御できます。 * 位置情報サービスをオンにする場合でも、この一覧を確認し、本当に位置情報が必要な信頼できるアプリだけを「オン」にしてください。初期設定で位置情報へのアクセスが許可されているアプリがある場合がありますので注意が必要です。

位置情報の履歴を消去

デバイスに保存された過去の位置情報の記録を削除します。 * プライバシー保護のため、定期的に履歴を消去することをお勧めします。これにより、デバイスに過去の行動履歴が蓄積され続けることを防ぎます。

まとめ

ご紹介した手順でWindowsの位置情報サービスに関する設定を行うことで、お使いのPCからの位置情報漏洩リスクを軽減し、プライバシーを保護するための基本的な対策を完了できます。

特に位置情報サービス全体を「オフ」に設定することは、多くのビジネスシーンにおいて有効なセキュリティ対策となります。位置情報が必要な場面がある場合は、必要最小限のアプリにのみアクセスを許可するように設定してください。

Windowsには、ここで解説した以外にも、プライバシーやセキュリティに関する様々な設定項目があります。ご自身の利用状況に合わせて、他のセキュリティ設定も確認し、より安全なPC利用を心がけてください。