情報漏洩を防ぐ Windows ネットワーク探索無効化の必須設定手順
なぜネットワーク探索の無効化が必要なのか
PCをネットワークに接続する際、特にオフィスや公共の場でWi-Fiなどに接続する場合、セキュリティに注意が必要です。Windowsには「ネットワーク探索」という機能があり、これが有効になっていると、同じネットワーク上の他のコンピューターやデバイスから自分のPCが見える状態になります。
もし意図せずこの機能が有効になっていたり、共有設定が適切でなかったりすると、同じネットワークに接続している第三者にPCの存在を知られ、設定によっては共有フォルダ内の情報が見られてしまうリスクがあります。これは、機密情報の漏洩につながる可能性もゼロではありません。
ビジネスでPCを利用する多忙な皆様にとって、このようなリスクは避けたいものです。幸い、Windowsの標準機能でこの「ネットワーク探索」を無効にする設定は、簡単かつ短時間で行うことができます。この設定を行うことで、PCがネットワーク上で不用意に表示されることを防ぎ、情報漏洩のリスクを減らすことができます。
この解説では、Windowsのネットワーク探索機能を無効にするための必須の手順を、初心者の方でも迷わないように分かりやすくご説明します。
Windows ネットワーク探索を無効にする手順
Windowsのネットワーク探索機能を無効にするには、以下のステップに従ってください。この手順はWindows 10およびWindows 11で共通ですが、画面の表示が若干異なる場合があります。
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設定を開く:
- 画面左下のスタートボタンをクリックし、「設定」アイコン(歯車のマーク)をクリックします。
- または、キーボードで
Windowsキー + I
を同時に押すと、直接設定画面が開きます。
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「ネットワークとインターネット」を選択:
- 設定画面が表示されたら、左側のメニューまたは中央のアイコンから「ネットワークとインターネット」を選択してクリックします。
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接続しているネットワークを選択:
- 「ネットワークとインターネット」の設定画面が表示されたら、現在接続しているネットワークの種類を選択します。
- 有線LANで接続している場合は「イーサネット」、無線LAN(Wi-Fi)で接続している場合は「Wi-Fi」をクリックします。
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接続中のネットワークプロパティを開く:
- Wi-Fiを選択した場合は、接続中のネットワーク名をクリックします。
- イーサネットを選択した場合は、「ハードウェアのプロパティ」の下に表示されている接続名をクリックします。
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「ネットワーク プロファイルの種類」を確認(補足):
- 表示された画面に「ネットワーク プロファイルの種類」という項目があります。ここが「パブリック ネットワーク」になっているか確認してください。
- パブリックネットワークでは、通常ネットワーク探索やファイル共有は自動的に無効になります。セキュリティの観点からはパブリックネットワークが推奨されます。
- もし「プライベート ネットワーク」になっていて、意図的にファイル共有などを行わない場合は、「パブリック ネットワーク」に変更することも検討できます。ただし、ネットワーク探索の無効化自体は、プロファイルの種類に関わらず設定可能です。
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「共有の詳細設定」を開く:
- 画面を下にスクロールし、「関連設定」などの項目内にある「共有の詳細設定」というリンクをクリックします。
- Windows 11の場合は、ネットワークプロパティ画面ではなく、「ネットワークとインターネット」の設定画面の左側メニューにある「イーサネット」や「Wi-Fi」の下の方に「共有の詳細設定」がある場合があります。
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ネットワーク探索の設定を変更:
- 「共有の詳細設定」画面が表示されます。ここには「プライベート ネットワーク」と「パブリック ネットワーク」それぞれの設定項目があります。
- 「ネットワーク探索」の項目を見つけてください。
- 「ネットワーク探索を無効にする」 を選択します。
- (通常、パブリックネットワークでは「ネットワーク探索を無効にする」が既定で選択されています。プライベートネットワークの場合も、不要であれば同様に無効にします。)
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変更を保存:
- 設定を変更したら、画面下部にある「変更の保存」ボタンをクリックします。
これで、選択したネットワークプロファイルでのネットワーク探索が無効になりました。
設定の意味と補足
- ネットワーク探索とは: 同じネットワーク上の他のコンピューターやデバイス(プリンターなど)を自動的に探し出し、表示するための機能です。これが有効だと、エクスプローラーの「ネットワーク」などで他のPCを見つけることができます。
- 無効化の効果: ネットワーク探索を無効にすると、他のPCから自分のPCが見えなくなります。これにより、意図しないアクセスや、PCの存在を不特定多数に知られるリスクを減らすことができます。
- ファイル共有との関係: ネットワーク探索が無効でも、特定の共有フォルダに直接アクセスすることは技術的には可能ですが、PCの存在が発見されにくくなるため、セキュリティは向上します。意図的にファイル共有を行う場合は、無効化しても共有フォルダへのアクセス方法を知っている相手とは共有可能です。しかし、一般的にはネットワーク探索とファイル共有はセットで無効にすることで、情報漏洩リスクを大きく低減できます。
- 設定の適用範囲: この設定は、選択したネットワークプロファイル(プライベートまたはパブリック)に対して適用されます。ネットワークの種類(Wi-Fiかイーサネットか)や、接続するネットワークごとに設定が異なる場合がありますので、必要に応じて確認・設定してください。
まとめ
Windowsのネットワーク探索を無効にする設定は、簡単なステップで完了できる重要なセキュリティ対策です。この設定を行うことで、お使いのPCがネットワーク上で不用意に表示されることを防ぎ、意図しない情報共有や情報漏洩のリスクを低減することができます。
今回ご紹介した手順でネットワーク探索を無効にできたことで、PCの基本的なセキュリティ対策がさらに強化されました。しかし、セキュリティは様々な設定の組み合わせで成り立っています。ファイル共有設定の確認や、Windowsファイアウォールの有効化など、他の必須設定も併せて確認することをおすすめします。かんたんWindowsセキュリティ設定サイトでは、初心者の方でも安心して実践できる様々な必須設定の手順を解説していますので、ぜひ他の記事も参考にしてください。