情報漏洩を防ぐ Windows検索のプライバシー設定 必須の手順
はじめに:Windows検索とプライバシーリスク
日々パソコンでファイルを検索したり、アプリを探したりする際に利用するWindows検索は、非常に便利な機能です。しかし、設定によっては、検索履歴や入力内容がMicrosoftに送信されたり、OneDriveなどクラウド上のファイルまで検索対象になったりすることがあります。
ビジネスでPCを利用する場合、検索する情報には機密性の高い内容が含まれる可能性も少なくありません。これらの情報が意図せず外部に送信されたり、広範囲に検索されたりすることは、情報漏洩のリスクにつながります。
ご自身のPCを安全に保つためには、Windows検索のプライバシー設定を見直し、不要な情報収集や広すぎる検索範囲を制限することが「必須」の対策となります。この解説では、Windowsの標準機能だけを使って、これらの設定を簡単に行う手順をご紹介します。
Windows検索のプライバシー設定手順
Windows検索に関するプライバシー設定は、Windowsの設定アプリから行うことができます。以下の手順で設定を進めてください。
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設定アプリを開く 画面左下のスタートボタンを右クリックし、表示されるメニューから「設定」をクリックします。または、
Windowsキー + I
キーを押しても設定アプリが開きます。 -
「プライバシーとセキュリティ」を選択する 設定アプリの左側にあるメニューリストから、「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
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「検索に関するアクセス許可」を開く 「プライバシーとセキュリティ」の画面を下にスクロールし、「Windowsのアクセス許可」グループにある「検索に関するアクセス許可」をクリックします。
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プライバシー設定を確認・変更する 「検索に関するアクセス許可」の画面には、いくつかのプライバシー関連の設定項目が表示されます。特に確認・変更しておきたい必須の設定は以下の3つです。
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安全検索 この設定は、検索結果に成人向けコンテンツが含まれないようにするためのものです。「厳密」「中程度」「オフ」から選択できます。ビジネス利用など、不適切なコンテンツを避けたい場合は「厳密」または「中程度」を選択します。
- 推奨設定:厳密 または 中程度
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クラウドコンテンツ検索 Windows検索がMicrosoftアカウントを使用して、OneDriveやSharePointなどMicrosoft Cloud上にあるファイルを検索対象に含めるかどうかを設定します。社内でこれらのサービスを利用している場合は便利ですが、個人的なOneDriveアカウントとビジネスPCを同じMicrosoftアカウントで利用している場合など、意図しないファイルが検索結果に表示されるリスクがあります。必要がなければオフにすることで、ローカルPC内の情報に限定した検索ができます。
- 推奨設定:オフ (ローカルPC内の検索に限定する場合)
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Windowsの検索履歴 デバイス上での検索履歴を保存するかどうかを設定します。オンにすると、過去の検索に基づいて候補が表示されるなど便利ですが、検索した内容が履歴として残ります。履歴を残したくない場合はオフにします。また、保存された履歴を削除することも可能です。
- 推奨設定:オフ (履歴を残したくない場合)
- 履歴を削除する場合:「Windowsの検索履歴」設定の下にある「デバイスで検索履歴をクリアします」の「クリア」ボタンをクリックします。
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設定の反映 これらの設定は変更した直後に反映されます。設定画面を閉じても問題ありません。
設定の意味と補足
今回設定した項目は、Windows検索の「どこまで」情報を収集・利用するか、そして「何を」検索対象に含めるかに関わるものです。
- 安全検索: 主にWeb検索の結果に影響します。Windowsの検索バーからWeb検索を行った際に、不適切なコンテンツをフィルタリングする度合いを設定します。ビジネス環境での利用では、誤って不適切なサイトにアクセスするリスクを減らすために重要です。
- クラウドコンテンツ検索: Windows検索の対象範囲をローカルPCからクラウドストレージにまで広げる機能です。Microsoftアカウントが紐づいているクラウドサービスの内容が検索されるため、ビジネス利用では、意図せず個人のファイルが表示される、あるいはその逆のリスクを考慮し、必要がなければオフにすることが推奨されます。
- Windowsの検索履歴: デバイス内で過去にどのような単語で検索したかの記録です。この履歴を保存することで、次回同じような内容を検索する際に入力が楽になるなどの利便性がありますが、プライバシーの観点からは、検索した情報が記録として残ることを避けるためにオフにすることが考えられます。特に、機密性の高い情報をPCで扱うことが多い場合は、履歴を残さない設定にすることで情報漏洩リスクを軽減できます。
これらの設定は、Windows検索の利便性とプライバシー・セキュリティのバランスをとるために用意されています。ご自身の利用状況や組織のセキュリティポリシーに合わせて適切に設定することが重要です。
まとめ
ご紹介した手順でWindows検索のプライバシー設定を行うことで、検索履歴の不要な保存を防ぎ、クラウド上の情報への意図しないアクセスを制限し、情報漏洩のリスクを減らす基本的な対策を講じることができます。
これらの設定は一度行えば完了ですが、定期的に設定内容を確認し、自身の状況に合っているかを見直すこともセキュリティを維持する上で有効です。
Windowsには、この他にも様々なセキュリティに関する設定があります。ご自身のPCの安全性を高めるためにも、他の必須セキュリティ設定についても確認されることを推奨いたします。