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情報漏洩対策に必須 Windowsサインイン画面でのユーザー名表示を無効にする手順

Tags: Windows, セキュリティ設定, 情報漏洩対策, サインイン, プライバシー

なぜサインイン画面でのユーザー名表示設定が必要なのか

Windows PCの電源を入れた際や、ロック画面から復帰した際に表示されるサインイン画面には、通常、最後にサインインしたユーザーのアカウント名が表示されます。日常的に使用している方にとっては便利な機能かもしれませんが、セキュリティの観点からはリスクが存在します。

サインイン画面にアカウント名が表示されていると、悪意のある第三者が物理的にあなたのPCにアクセスした場合、有効なアカウント名を知る手がかりを与えてしまうことになります。アカウント名が分かれば、残るはパスワードやPINを推測したり、不正に入手したりするだけでPCに不正にアクセスされてしまう危険性が高まります。

特に、社内や公共の場所など、PCが一時的にでも他人の目に触れる可能性がある環境でPCを使用する機会があるビジネスパーソンにとっては、このリスクを低減することが重要です。

Windowsの標準機能を使って、サインイン画面にアカウント名が表示されないように設定することは、不正アクセスや情報漏洩を防ぐための基本的な対策の一つです。この設定を行うことで、PCのセキュリティをさらに強化することができます。

この記事では、Windowsのサインイン画面にアカウント名が表示されないようにするための、簡単で必須となる設定手順を解説します。

サインイン画面でのユーザー名表示を無効にする手順

Windowsのサインイン画面でアカウント名を表示しないように設定するには、以下の手順を実行します。特別なソフトウェアのインストールは不要で、Windowsの標準機能のみを使用します。

  1. 「設定」アプリを開く

    • Windowsのスタートボタンをクリックし、「設定」アイコン(歯車の形)をクリックします。または、キーボードの Windowsキー + I を同時に押すことでも「設定」アプリを開くことができます。
  2. 「アカウント」を選択する

    • 「設定」ウィンドウが表示されたら、メニューの中から「アカウント」をクリックします。
  3. 「サインインオプション」を選択する

    • 「アカウント」画面の左側のメニューから、「サインインオプション」をクリックします。
  4. 「アカウントのプライバシー」の設定を変更する

    • 「サインインオプション」画面が表示されたら、下へスクロールし、「アカウントのプライバシー」という項目を探します。
    • この項目の中に、以下の2つの設定項目があります。

      • サインイン情報を使用して、更新後にデバイスのセットアップを自動的に完了するように、またアプリを再び開くことができるようにします。(推奨)
      • サインイン画面にアカウントの詳細 (メールアドレスやユーザー名など) を表示する
    • 上記のうち、サインイン画面にアカウントの詳細 (メールアドレスやユーザー名など) を表示する の設定をオフにします。スイッチをクリックして、表示が「オフ」になることを確認してください。

    • もう一つの設定項目である サインイン情報を使用して〜 も、セキュリティを考慮する場合はオフにすることを推奨します。これは、Windows Updateなどの後にサインインを自動化する機能ですが、予期しない起動時にアカウント情報が使われる可能性を排除するためです。必要に応じて、こちらもスイッチを「オフ」に設定してください。
  5. 設定完了

    • 設定の変更は即時に反映されます。これで、次回のサインイン画面からアカウント名が表示されなくなります。

設定の意味と補足

今回変更した「サインイン画面にアカウントの詳細 (メールアドレスやユーザー名など) を表示する」設定は、その名の通り、サインイン画面に表示されるユーザーアカウントに関する情報の表示/非表示を切り替えるものです。この設定をオフにすることで、サインイン画面にはユーザーアイコンとパスワード/PIN入力欄だけが表示され、アカウント名が表示されなくなります。これにより、第三者がPCにアクセスした場合にアカウント名を特定されにくくなり、不正アクセスのリスクを低減できます。

もう一つの設定「サインイン情報を使用して、更新後にデバイスのセットアップを自動的に完了するように、またアプリを再び開くことができるようにします。(推奨)」は、Windowsの更新プログラムの適用後に、自動的にサインインを完了させたり、前回のセッションで開いていたアプリを復元したりするための機能です。これは利便性を高めるための機能ですが、PCの再起動時などに意図せずサインインが行われる可能性があり、セキュリティリスクにつながる場合もあります。セキュリティを重視する場合は、この設定もオフにすることを検討してください。

これらの設定変更は、Windowsに標準搭載されているプライバシーおよびサインイン関連のセキュリティ機能であり、外部のソフトウェアは一切使用していません。どなたでも簡単に行えるため、ぜひ設定を見直してみてください。

まとめ

この記事で解説した手順を実行することで、Windowsのサインイン画面に表示されるアカウント名を非表示に設定できます。これにより、PCの物理的なセキュリティが強化され、特に共有スペースなどでPCを使用する際の情報漏洩リスクを低減することができます。

サインイン画面でのアカウント名表示を無効化することは、多層的なセキュリティ対策の基本的なステップです。今回の設定に加えて、強力なパスワードやPINの設定、二段階認証の利用など、他のセキュリティ設定も適切に行うことで、より安全にWindows PCを利用することができます。

ご自身のPCセキュリティに不安を感じているビジネスパーソンの方は、ぜひこの機会にサインイン関連の設定を見直してみてください。簡単かつ短時間で完了し、PCの基本的な安全性を高めることができます。