ダウンロード・実行前に危険を自動検知 Windows SmartScreen 評判による保護 必須設定手順
なぜこのセキュリティ設定が必要なのか
インターネットからファイルをダウンロードしたり、新しいアプリをインストールしたりすることは、PC利用において日常的な操作です。しかし、これらは同時に、ウイルスやマルウェアといった悪意のあるプログラム、あるいは迷惑な広告表示や不要な設定変更を行う「望ましくない可能性のあるアプリ(PUA: Potentially Unwanted Application)」に感染・侵入するリスクも伴います。
手動でダウンロードしたファイルの安全性を一つずつ確認するのは時間もかかりますし、専門的な知識がないと判断が難しい場合もあります。万が一、危険なファイルやアプリを実行してしまうと、PCの動作がおかしくなったり、個人情報が盗まれたりするなどの深刻な被害につながる可能性があります。
Windowsに標準搭載されている「SmartScreen」機能の「評判ベースの保護」は、このようなリスクからPCを守るための重要なセキュリティ機能です。この機能を有効にしておくことで、インターネットからダウンロードしたファイルやアプリをWindowsが自動的にチェックし、危険性が高いと判断された場合に警告を表示したり、実行をブロックしたりしてくれます。これにより、ユーザーが誤って危険なものを開いてしまうリスクを大きく減らすことができます。
この設定は、Windows標準機能で簡単に設定でき、PCの基本的な防御力を高めるために「必須」と言えるものです。ここでは、その手順を分かりやすく解説します。
Windows SmartScreen 評判による保護設定の手順
SmartScreenの評判による保護機能を設定する手順は以下の通りです。
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「Windowsセキュリティ」を開く
- Windowsの検索バーに「Windows セキュリティ」と入力し、検索結果に表示される「Windows セキュリティ」アプリをクリックして開きます。
- または、通知領域(タスクバーの右下)にある盾のアイコンをダブルクリックして開くこともできます。
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「アプリとブラウザーコントロール」を選択する
- Windowsセキュリティのホーム画面が表示されたら、左側のメニュー、または画面中央のアイコンの中から「アプリとブラウザーコントロール」をクリックします。
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「評判ベースの保護」の設定画面を開く
- 「アプリとブラウザーコントロール」の画面が表示されます。「評判ベースの保護」という項目の中にある「評判ベースの保護設定」をクリックします。
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主要な設定を「オン」にする
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「評判ベースの保護」の設定画面では、以下の項目を確認・設定します。通常、これらの項目は「オン」にすることが強く推奨されます。
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アプリとファイルの確認
- ダウンロードしたアプリやファイルが安全であるか、Windowsがその評判をチェックするかどうかを設定します。不明なものや危険と判断された場合に警告が表示されます。
- このスイッチが「オフ」になっている場合はクリックして「オン」にします。
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望ましくない可能性のあるアプリのブロック
- マルウェアではありませんが、迷惑な広告を表示したり、勝手に設定を変更したりする可能性があるアプリ(PUA)をブロックするかどうかを設定します。
- このスイッチが「オフ」になっている場合はクリックして「オン」にします。
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Microsoft Edge の SmartScreen
- ウェブサイトやダウンロードをMicrosoft Edgeでチェックするかどうかを設定します。
- 通常は「オン」になっているべきですが、確認しておきましょう。(Edge以外のブラウザーを使用している場合でも、上記の「アプリとファイルの確認」は他のブラウザーからのダウンロードにも適用されます。)
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Microsoft Store アプリの SmartScreen
- Microsoft Storeからダウンロードしたアプリのコンテンツをチェックするかどうかを設定します。
- 通常は「オン」になっているべきですが、確認しておきましょう。
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設定の完了
- すべての推奨される項目が「オン」になっていれば設定は完了です。設定画面を閉じてください。
設定の意味と補足
ここで設定した「評判ベースの保護」機能は、以下のような仕組みでPCを保護します。
- アプリとファイルの確認: Windowsは、ダウンロードされたファイルやアプリのデジタル署名や、以前にそのファイルがどれだけ広く使われているか(評判)などの情報をMicrosoftのサーバーに照会します。まだ十分に情報がない新しいファイルや、評判が悪いと判断されたファイルについては、ユーザーに警告を表示したり、実行をブロックしたりします。これにより、未知のマルウェアや偽装された安全でないプログラムの実行を防ぎます。
- 望ましくない可能性のあるアプリのブロック: PUAは厳密にはウイルスではありませんが、ユーザーにとって不利益をもたらす可能性があるプログラムです。広告ウェア、スパイウェアの要素を持つもの、PCのパフォーマンスを低下させるものなどが含まれます。この設定を有効にすることで、こうした迷惑なアプリが意図せずインストールされるのを防ぎます。
これらの設定は、Windowsの標準機能としてOSに深く統合されており、多くの種類の脅威に対して効果的な水際対策となります。「オン」にしておくことで、より安心してインターネットからのファイルダウンロードやアプリの利用が可能になります。
まとめ
ここでは、Windows SmartScreenの「評判ベースの保護」機能を有効にする必須設定手順を解説しました。
この設定を完了することで、インターネットからダウンロードしたファイルやアプリがWindowsによって自動的にチェックされ、悪意のあるものや望ましくない可能性があるものが警告されたり、ブロックされたりするようになります。
これは、日々のPC利用においてマルウェア感染や迷惑アプリの侵入を防ぐための、非常に効果的かつ基本的なセキュリティ対策の一つです。PCの安全性を高めるために、必ず設定しておきましょう。
他にも、WindowsにはPCのセキュリティを維持・強化するための様々な標準機能があります。必要に応じて、他の必須設定についても確認・設定されることを推奨します。