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Windows システム保護(復元ポイント)設定 必須の手順 PCトラブル・マルウェア対策

Tags: Windowsセキュリティ, システム保護, 復元ポイント, トラブル対策, マルウェア対策

なぜシステム保護(復元ポイント)設定が必要なのか

PCを日常的に利用していると、新しいアプリのインストールやWindowsアップデート、各種設定の変更など、システムの内部で様々な変化が起こります。多くの場合、これらの変化は問題なく進行しますが、ごくまれに、意図しないエラーやシステムの不安定化を引き起こすことがあります。

また、最近のサイバー攻撃は巧妙化しており、誤ってマルウェア(悪意のあるソフトウェア)をダウンロード・実行してしまった結果、PCのシステム設定が勝手に変更されたり、システムファイルが破損したりするリスクも存在します。

このようなシステムトラブルやマルウェア感染によってPCの動作がおかしくなったり、最悪の場合Windowsが正常に起動しなくなったりする状況に陥ると、通常の操作では元に戻すことが非常に困難になります。

ここで役立つのが、Windowsに標準搭載されている「システム保護(復元ポイント)」機能です。この機能を有効にしておくことで、PCが正常に動作していた時点の状態を記録した「復元ポイント」が作成されます。万が一システムに問題が発生した場合でも、この復元ポイントを使ってPCの状態を過去の正常な時点に戻すことが可能になります。これは、PCを安全に使い続ける上で非常に重要な、必須の対策の一つと言えます。

この記事では、そのシステム保護機能を有効にし、復元ポイントを作成する簡単な手順を解説します。短時間でできる必須の設定ですので、ぜひご確認ください。

システム保護の設定と復元ポイントの作成手順

システム保護の設定は、Windowsのシステム設定画面から行います。以下の手順で進めてください。

  1. 「システムの保護」設定画面を開く

    • Windowsの検索バー(タスクバーにある虫眼鏡アイコンや検索ボックス)をクリックします。
    • 検索ボックスに「復元ポイントの作成」と入力します。
    • 検索結果に表示される「復元ポイントの作成」をクリックして開きます。
  2. システム保護の設定状況を確認する

    • 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示され、「システムの保護」タブが開きます。
    • 「保護設定」の項目を確認してください。PCにインストールされているドライブ(通常はCドライブなど)が表示されています。
    • 各ドライブの「状態」が「有効」になっているか確認します。通常、Windowsがインストールされているドライブ(多くはCドライブ)が「有効」になっている必要があります。
  3. システム保護を有効にする(無効な場合)

    • もしWindowsがインストールされているドライブ(例: (C:) システム)の状態が「無効」になっている場合は、そのドライブを選択し、「構成」ボタンをクリックします。
    • 表示されたウィンドウで、「システムの保護を有効にする」を選択します。
    • 「ディスク領域の使用量」の項目で、復元ポイントのために確保するディスク容量を設定します。スライダーを動かして調整できます。一般的には、PCの総容量の3%から10%程度を推奨します。これはあくまで目安であり、PCの使用状況に応じて調整可能です。
    • 「適用」をクリックし、続いて「OK」をクリックして設定を保存します。
  4. 手動で復元ポイントを作成する(推奨)

    • システム保護を有効にした直後や、大きな設定変更、新しいアプリのインストールを行う前などに、手動で復元ポイントを作成しておくことをお勧めします。
    • 「システムの保護」タブの画面下部にある「作成」ボタンをクリックします。
    • 「復元ポイントの作成」ウィンドウが表示されます。この復元ポイントを後で識別しやすいように、日付や簡単な説明(例: 「システム保護設定後」、「〇〇インストール前」など)を入力します。
    • 「作成」ボタンをクリックします。復元ポイントの作成が開始されます。
    • 作成には数分かかる場合があります。進行状況が表示され、「復元ポイントは正常に作成されました。」と表示されれば完了です。「閉じる」をクリックします。

これで、PCのシステム保護が有効になり、将来的にシステムに問題が発生した場合に備えることができました。自動的に復元ポイントが作成されるようになりますが、重要な変更の前には手動作成も活用してください。

システム保護と復元ポイントの意味

ここで設定した「システム保護」機能は、Windowsのシステムファイル、インストールされているアプリ、Windowsの設定、およびレジストリといった、システムの重要な構成要素の情報を記録するものです。

そして、「復元ポイント」とは、システム保護が有効になっている状態で、特定の時点のシステムの構成情報を記録した「スナップショット」のようなものです。Windowsは通常、重要な変更(Windows Updateなど)の前や、一定期間ごとに自動的に復元ポイントを作成します。上記の手順で手動作成することも可能です。

設定で指定した「ディスク領域の使用量」は、復元ポイントを保存するためにハードディスクやSSD上に確保する容量の上限です。この容量が満杯になると、新しい復元ポイントを作成するために、最も古い復元ポイントから順に自動的に削除されます。そのため、適切な容量を設定しておくことが重要です。

ただし、一つ重要な注意点があります。システム保護と復元ポイントは、あくまでシステムの構成情報を元に戻す機能です。写真、ドキュメント、音楽などの個人的なファイルはこの機能ではバックアップされませんし、復元することもできません。個人ファイルのバックアップについては、別途Windows標準機能のバックアップ機能などを利用する必要があります。

まとめ

Windowsのシステム保護(復元ポイント)機能を有効にし、必要に応じて復元ポイントを手動で作成する手順をご確認いただきました。

この設定を完了しておくことで、万が一PCのシステムに不具合が発生した場合や、マルウェアによってシステム設定が改変されてしまった場合でも、比較的簡単に正常な状態に戻すことができるようになります。これはPCを安全かつ安定して利用するために不可欠な基本的な対策です。

復元ポイントは個人ファイルのバックアップにはならないため、大切なデータについては別途バックアップを取ることも忘れないようにしてください。Windowsには他にも様々な必須のセキュリティ設定がありますので、それらも併せて設定し、安全なPC利用環境を整えることをお勧めします。